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重松清『ナイフ』を読了

 最近、あまり読書をせずに、ネットやらテレビやら安直な娯楽に走っていた反動か、猛烈になにか読みたくなってこの前の水曜日から重松清さんの小説だけを5冊借りてきてみている。

 その中から『ナイフ』を読んでみた。

 イジメがテーマの短編4話と大きな意味ではイジメとも言えようが学校生活の話が1話の計5話収録の本。重松ものらしく追い込み激しく、現代イジメの諸相をえぐくえぐってくる。ここまで内角をえぐってこなくてもと思えるくらいの鋭さを持っている。

 あまり明るい気分になれるものでもないが、それなりに救いのあるストーリーも多いし、短編が5話だから読みやすい。一気に読んでしまった。

 人生をとても考えさせられる。
 「逃げることは是か非か」
 そのへんを考えさせられる。

 僕は最善の努力の末には、逃げてもいいと思うんだけどね・・・

 また All About イジメ 感がある本である。

 人生を考える意味、イジメの実態を知る意味両面から一読の価値はあろう。
 

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コメント

僕は最近山崎豊子にハマっています。ここ2週間くらいで「二つの祖国」と「沈まざる太陽」を読みました。どちらにも共通しているのは、自分の筋・信念を貫いて生きていこうとする主人公の苦悩と見ました。「沈まざる・・」はJALの御巣鷹山墜落事故を絡めて巨大航空会社の裏側を描きつつ、主人公をこれでもか!とばかりに追い込んでいく(あれは会社版イジメであるとしかいえないでしょう)会社の様子が描かれていて、背中が寒くなりました。同時に、そうまでされても自分の筋を通す主人公と自分を対比しては「自分はここまで強くなれない、もっと打算的に生きるよなぁ」などと思ったりしています。

I had a desire to start my own company, but I did not have enough of cash to do this. Thank goodness my friend proposed to take the loan. Thus I used the short term loan and realized my old dream.

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