どうしようもない悲しみの時に、妻が持ち出してきたもの
昨日、中原中也の「汚れつちまつた悲しみに・・・」の詩を思い出したことを語ったが・・・そんなすさんだ気持ちの時に、妻がいることは非常に慰められる。
かの中原中也の詩を知っているか?と妻に問うと、ひとつの本を取り出してきた。中原中也詩集の文庫本。
ちょっとびっくり。知っているかどうかもどうかなぁと思ったのに、本まで持っていたとは。なんか、すごい。
もちろん、かの有名な詩も出ている。
この詩は、むかーし、教科書かなんかで読んで、そのまま忘れていたが・・・どうしようもない悲しみのきっかけに記憶の糸がたぐられてしまったらしい。記憶のフラッシュバック。
最初の一遍を引用したい。
「汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる」
(『汚れつちまつた悲しみに』・・・・・・ 中原中也詩集 集英社文庫 p44より)
心にひゅーるりーという風が吹くような気持ち・・・たぶん中也もそのような気持ちをこの詩に乗せたんじゃないかな。
中也は30歳で夭逝したという。それより4年も長く生きて・・まだ自分は人の心に響く言葉を編めていないんじゃないかな・・・ちょっと悲しい。
コメント
ごぶさたです。実は、奇遇と言うか(笑)、私もここ数日、色々悲しい気持ちになることがあって、今日は帰宅して、誰もいない部屋で電気も点けずに、思いっきり声に出してワーッって泣きました。まだ、瞼ちょっと重いです…(^^;)。
悲しい時の気持ちを、客観的に言葉にできるようになるまでには、長い時間がかかるはず。かずさんの今の気持ちも、いつか中也のように表現する時が来るかもしれません。
それに、とにかくかずさんはこうして毎日の出来事を、どんなささやかなことでも、言葉にして綴っていますよね。私は、時々かずさんの日記を読んで、ほのぼのとした気持ちになったり、感心したり、同調したりしています。
日記は、詩のように少ない言葉で人の気持ちにグッと響くものではないけれど、私にとってかずさんの日記は、そんなふうに心の小さな潤いになってくれていますよ。
投稿者: suzu | 2007年03月27日 21:06
suzuさん、お久しぶりです。
そうですか・・suzuさんもいろいろおありなのですね。お察しします。
でも、本当に励ましになる言葉をありがとうございます。
私のこの語りがそういう風に感じて頂けていると思うと、やはり、たいへん励みになります。
詩のように短い言葉でぐっといく表現はなかなかに難しいのですが・・・
率直に書いていければいいなと思っています。
suzuさんの心も、また、今日の関東地方の春晴れのように明るくなることを願っています。
投稿者: かず | 2007年03月29日 21:22