目で語り合える仲
僕は、多分、自他共に認めるいわゆる難しい人である。気むずかしいと言ってもよいし、取り扱い注意の人間と言ってもよいと思う。
これと決めたら猪突猛進で何かやる割には、これはだめだと思ったら、あくまでも戦う・・・周りにそんなのがいたら疲れそうでしょ?そんな人です。
でも、前の職場では、目で語り合える同僚がいた。かなり気を遣わせていたと思うし、でも、それなりにお返しもしていたと思う。そうやって培われた友情とも仲間意識とも言えない連帯感がその人と僕の間にはあった。というか、あったと信じたい・・・。
そして一緒にいた頃は、「じゃ行きましょうか・・」その一言で、いや、声にださなくったって飲みに行けた仲間。
その人とはこの4月に別れてしまった。僕が違う部署へ異動したからだ。
離れてしまうと疎遠になる。携帯メールは交換してもお互い忙しい、飲みに行きたいですねと紋切り型の文をメールでやりとりするだけで、実現することなく、今、8月になってしまっていた。
帰り道、たまたま、その人と会った、道ばたで。
「この後予定は?」「いや、ないですよ♪」
「じゃ、行きましょうか」
その一言で、焼鳥屋に行けた。あ、まだ一言で飲みに行けた・・・。
とってもうれしかったし、その人もうれしそうだった。
まだ、目で語り合える仲だったんだ・・・
今日は仕事始めの週初め月曜日だというのに、何杯も杯を重ねてしまったが、とっても楽しかったのだ。
「大津さんとはもうちょっと仕事したかったですよ」・・・4月の異動時にも言ってくれた言葉、今回も言ってくれた。気遣いもあると思うがそれだけじゃないと信じたい。
もっと大きくなって、もっと安定して、余裕を持った人間になって、その人とはまた
「じゃ、行きましょうか」
と行きたいと切に思った。