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実学か教養か

 ぼーっと日々を過ごしていても、なんとなく世の流れは感じてくる。

 教育の問題にしてもそうだ。実学か教養かという論議がよく出てくる。

 この不況の世の中、教養よりも実学が重んじられる傾向にある。
 実学とは言ってみれば、食べていける学問である。だから文系では、法学部や経済学部といった、就職に有利な学部がますますはやるし、理系でも、企業への就職という受け皿のある工学部や・・・薬剤師になれる薬学部などが流行ってきたりもする。

 そして、今度、法科大学院(ロースクール)などができるわけだが、これはまさに実学の世界だ。

 ただ、実学というのは夢がない・・・広がりがないと思うのだ。ロースクールだったら弁護士・検事・裁判官という法曹界での働きしかないわけだし、薬学部で専門性を生かそうとしたら、薬剤師として薬局というコースが主のとなるだろう、ちょっと毛色の変わったところでは厚生労働省の麻薬取締官としての道はあったりはするが、どっちみちそんなに広い世界を見るわけではない。

 そう、実学は夢がない代わりにその狭い世界においての専門性を持つことができ、ひいては食べていける道が用意されている堅い道ということになる。

 実学はプラグマティズムに端を発したアメリカ的思想であり、教養はヨーロッパ的思想と言えるのである。

 昨今の教養離れを危惧して教養の復活が唱えられているが・・・この不況が続く限り実学重視は続くだろう。

 まぁ、いいのか悪いのかはわからないが、どちらかといえば教養肌の僕は、いつかは教養が復権してくれないかなと密かに思ってはいる。

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