一億総勉強時代

 

 最近、「勉強」が、はやっているみたいですね。ほら、電車の吊り広告を見ても「仕事の教室」とか「ケイコとマナブ」とか・・・まあ、資格取得やスキルアップのための勉強術や、専門学校を紹介する雑誌の広告が必ずと言っていいほど出ているじゃあないですか。そして、各種資格試験へ受験者数も増加傾向にあると言います。まあ、タイトルの「一億総勉強時代」は大げさだけど・・・ま、勉強への関心が非常に高まっているのは事実だよね。まあ、このバブル崩壊後の不況に伴い、手に職を・・そして資格を・・ということが大きいのでしょうが・・・。

 でもさ?勉強って好きですか?

 いやあ、私は学生時代は大嫌いでした・・・勉強しなくてよければどれほど幸せかと思ったりしてました(^-^)。でもまあ、自分から勉強を取ったら、あまり取り得ないよな、というわけで・・それなりにがんばりましたけど・・・。うんでもやっぱり、受験に追い立てられ、家でも勉強せいと言われながら・・半ば強制的にやらされる勉強は・・そう、やはりそんなに好きにはなれませんでしたよね(^-^)。

 この語りを読んでくれている人でも 勉強だーい好き って人はそんなに多くないですよね?ほら、あの国民的アニメ番組「サザエさん」のカツオ君も宿題大っ嫌いだし・・「ドラえもん」の のびた君 だってそうじゃないですか(^-^)(あるサイトで私は のびた顔だって言われていましたが(^-^))。でも、今や世は勉強フィーバー・・・なんか違うよなあ・・・

 まあ、通勤電車で、混雑の中で格闘しながら見上げた、吊り広告の「仕事の教室」を眺めながらふとこんなこと思ったんだよね(^-^)・・・

 まあ、好き嫌いに関わらず勉強して資格とかとらないとやっていけないと言うことかもしれないけど・・・まあ、僕も資格とかとるのは好きで年に何個かはとりますけど・・・でも、正直、資格ってそれとともに実務の経験がないと生きてこないものですよね・・・資格だけあってもしょうないって面もあるわけですよね。

 まあ、この一億総勉強時代においては・・・やはり、勉強すればなんとななる、何かいいことがあるという価値が支配しがちですよね。だからこそ上記のような雑誌だってあるように思えます.

 そう、やはり、まだまだ学歴社会だからでしょうか・・・親は子どもに「うーんと勉強して、偉くなるのよ・・ね?○○ちゃん」とか言ってしまいがちなのではないでしょうか。となると、まあ、勉強していい大学とか出たら、偉くなれるのではなかろうか、とか、いい大学入ったらいいことあるのではないか・・・こんな価値観ができてしまうのではないでしょうか。

 確かに、勉強したら、いろいろなことができる可能性はできますよね。例えば「末は博士か大臣か」という言葉の・・まあ、博士になるには・・まあ、大学に行って研究をする必要がありますしね(^-^)大臣になるにも・・まあ、大学を出なくても国会議員にはなれるのですから・・もちろんよいのですが、大学を出ているほうがなりやすそうなのは事実でしょう(^-^)。

 でも、あくまで可能性としてですよね(^-^)。別に、いい大学入ったから・・・そう、我田引水で、このページのテーマに持っていきますと・・ 必ず もてる わけではないですよね(^-^)。

 そう、論理的に考えれば、いい大学に入ると必ずもてる、なんてことは言えないはず。「風が吹くと桶屋が儲かる」式の強引な論理で行っても「いい大学に入る→将来いいとこ就職しそう→高収入が見込めそう→なんかいいかも」って感じで(^-^)・・でもこう考えたって、せいぜい、いい大学に入るともてることもある ってなぐらいだよね(^-^)・・「必ず」もてる、なんて言えないよね(^-^)

 でもさ、一億総勉強時代の勉強するといいことあるよ的価値観を持ってしまうと、いや、これは自分が意識的にというよりは無意識的にでも社会全体を覆う価値観に染まってしまうものだとは思うのですが・・・こんなに勉強していい大学に入ったのに、なぜもてないんだって思ってしまうことになるのかもしれない。

 まあ、僕は斜めにしか読んでいないのだけど、先ごろ話題になった本『もてない男―恋愛論を超えて―』 (ちくま新書)の作者の小谷野敦氏は、その本の中でこんなことも書いている

 

『だいたい俺は東大出てるんだぞ。こんなに女にもてなくて振られてばっかりいるんだったら、なんで苦労してあんなに勉強したんだ。』

『もてない男―恋愛論を超えて―』 小谷野敦著 ちくま新書 p.104 から引用)

 

 まあ、こういう嫉妬心は・・やはり、前述したような一億総勉強社会の「勉強したらいいことあるよ」的価値観に染まって出てくるものなのだと思う。

 では、私はどうだったか?ええ、別に口に出していいもしなかったですし・・・こんなに強烈には思わなかったけど一生懸命勉強しても、結果を出しても、なかなかもてないものだなあとは感じたりしていましたけどね(^-^)やはり、「勉強したらいいことあるよ」的価値観には染まっていたのでしょう(^-^)だから、よくわかります・・・こう書いた小谷野氏の気持ちは(^-^)

 まあ、今・・そう社会人になって勉強というより実務が重要な世界にあって・・・勉強したからって必ずもてるってわけではないだろう・・というように、一億総勉強時代的価値観からは脱却できていると思います・・まあ、だからこそここでそう語っているのですけどね(^-^)

 まあ、一億総勉強時代的価値観から脱却できていなけれなこんな風に自分を「もてない男」と達観してこんなサイトを作ることはないのでしょうしね(^-^)

 いや・・・勉強をするのを否定しているわけでもありませんし、一生懸命勉強している姿はそれなりに美しいものです・・・別にサッカーに打ち込んでいる青春だけが格好よいわけではないし、その打ち込む対象が勉強だってよいと思います。

 でもね・・・昨今の一億総勉強社会にありがちな、勉強万能主義は捨ててしまう方ががよいのかも、と思うのです・・・こと「もてる」「もてない」に関しては。

 

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