クリスマスに奇跡が起きてもいいじゃない(2003年クリスマスに寄せる)


 クリスマスに向けての思いを毎年書いて、もう何年にもなる。そして、それを書く際にいつも考えさせられることは「クリスマスって自分にとってなんなのだ?」ということ。そして、確かに僕は長い間独り身だし、もてない男だけど、結局は基本的にクリスマスは好きだと言う結論に至ってきた。

 その雰囲気、そのワクワクを含めて。街に電飾がきらめくのもいい。イルミネーションは各所のものを観たことがある。

 強がりじゃないよ。

 そりゃ、若い頃・・・20代前半とかは、クリスマスの日の独り身を嘆いたりもしたこともないことはなかったが、基本的に街が浮かれていれば、なんか楽しかったことは事実だ。

 そう、楽しいんだよ。クリスマスは。

 この前、映画『34丁目の奇跡』を観て、その思いが確信できた。このドラマは以前にも観たことがあるので大筋は知っていたのだが、再度観た今も本当に感動できる。

 この映画が観る者に「夢は持ち続けなければいけないよ♪そうであってこそ厳しい現実を乗り越えられる」ということを語りかけているように思えるのだ。

 「サンタクロースはいる」という夢を持つことの重要性を描きつつ、その反面、現実の汚い面(企業買収・金への欲・罠 etc.)もこれでもかというほどに描いている。その対立において、夢の大切さを描いている。

 そう、こう考えればいいのではないだろうか?クリスマスって「夢」または夢みたいなことが本気で起こるかもと思ってしまってもいい日だと。そんな奇跡があるかもしれない日だと。

 若い頃は受験戦争、社会に出たらまたきつい職業生活が待っている、そんな生き馬の目を抜くような、厳しい現代社会にみな生きているんだ。普段、そんなぼーっと夢想ばかりしていてはちょっとやっていけないだろう。

 でも、一年のうちに一日くらい・・・なんか、そんな夢みたいなことが起こるかもと夢想してもいいと思うし、実際そういう夢想をすることによって、その翌日からの厳しい現実に立ち戻れる力を得ることもできるだろう。

 そんな一日としてクリスマスを考えてはどうだろうか?

 そしたら、クリスマスってきっと楽しめるはず。たとえ一人でもね。

 もちろん、一緒に夢想してくれる相方さんがいればもっといいに違いないが、相方さんがいなくったって夢を見ることはできるもんね。そう、もてない男の僕なんかはそれを実践してきたんだから。

 そうだ、僕は夢想しがちな少年だった・・・こんなだったらいいな、ああだったらいいな・・・一番好きなアニメはドラえもんだった。そんな少年が大人になってもクリスマスがとってもとっても好きであっても何ら不思議はない。

 クリスマスにはいい夢見ちゃおうよ、願っちゃおうよ。かなったって、かなわなくたって関係ない・・・その夢想はきっと次の日からの糧となるはずだ。

(2003.11.27)

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